2010年12月アーカイブ

それに、トラックはいつも傾いていた。

道路に掘りこまれた幅三寸深さ一尺位の馬車の轍に、片方の車輪をはめこんで走っていたからです。

乗合は遠野まで50銭。

歩いて三時間の道のりが三分の一以下になるとはいえ、米一升が25銭の時代だから、ずいぶん高かったんですね。

それでも中古トラックが見えると、つい『乗せてくれえ!』と言ってしまう。

すると『こんでらあ』と答える。

『外でもいいからあ』といってドアの下の踏み台にとっつく。

それでも料金はやっぱり50銭でした」


やがて昭和元年には、川井村出身の前川さんが遠野・宮古間に定期貨物輸送の路線を開設、翌2年には同じ路線に定期乗合自動車を走らせる。

更にその前後、個人の貨物輸送やタクシーを開業している。

遠野は、他の地域に比べて割と早く初期的なトラック普及の時期を迎えた。

例えば大正13年には、内田という人物が東陸トラック運送事業を開始したほか、附馬牛の石直という人が中古車トラックを7百円で購入して、木炭を主とする貨物輸送に着手している。

彼は、木炭1俵が五十銭の当時、附馬牛・遠野間を1俵あたり五銭で、一度に約70俵を積んで日に2往復した。

そのことについて、長年、附馬牛の小学校長の要職にあった郷土史家の福田氏は、次のように語る。

「トラックがやってくると『グァン、グァン』という音がするので、目より先に耳が気づく。

するとワンパクどもが飛び出してきて後ろの荷台にとっつく。

道は狭い、スピードはのろい。

だから、危なくないわけです。

つづく

ここで、昭和57年度の営業用トラックの平均輸送距離を車種別にみると、保有台数の8割近くを占める普通車が70.8㎞ですのに対し、小型車は32.9kmとその半分以下です。


すなわち、営業用トラックでは輸送距離により普通車と小型車の使い分け傾向が顕著ですが、自家用トラックは普通車21.6km、小型車21.1㎞と車種による格差は、ほとんどみられません。


また、50年度水準と比較してみると、営業用トラックの普通車が約10km、同小型車も5kmほど平均輸送距離が伸びていますのに対して、自家用トラックは、普通、小型車とも1km未満の伸びにとどまっています。

品目による平均輸送距離と輸送品目構成の違いが、営・自別の平均輸送距離の格差に大きく影響していますことは明らかですが、50年度水準に比べると、営業用トラックの平均輸送距離は11.1km伸びていますのに対し、自家用のそれは1.6kmと小幅の伸びにとどまっている。


以上のことから、一般的にはより長い距離になればなるほど、営業用トラック中古車主体の輸送が行われていますとみることができる。


昭和57年度においては、営業用トラックの輸送トン数は自家用トラックの約半分ですが、トンキロでは逆に1.5倍以上となっています。


トンキロをトン数で除して得られる平均輸送距離は、57年度実績で営業用66.4km、自家用20.8kmと、営業用が約3倍の長さになっています。


このように、営・自別の平均輸送距離に大きな格差が生じている第一の理由は、営・自別の輸送品目構成の違いにあります。


ちなみに、トラックの品目別平均輸送距離をみると、砂利・砂・石材をはじめとする鉱産品は、10km台の短い距離帯にあり、これに対し金属・機械,軽・雑工業品は50km以上の距離帯に属しています。


このように、平均輸送距離の伸びのテンポも営業用トラックが自家用中古車トラック をはるかに上回っており、両者の格差はますます拡大の方向にある。

この営業用小型車による輸送ウエイトの低下傾向は、当該保有車両数のウエイトの低下と裏表の関係にあることはいうまでもないでしょう。

これに対し、自家用トラックにおける近年の普通車、小型車の落ち込みは、やはり自家輸送関連の輸送品目の生産・出荷動向が大きく影響しています。

57年度のトラック輸送品目構成(トン数べ一ス)を営・自別にみると、砂利・砂・石材と金属・機械、軽・雑工業品のウエイトが両者で際立った対照を示していますことがわかります。

営業用トラックは金属・機械と軽・雑工業品で、また自家用トラックは砂利・砂・石材のみで、それぞれの輸送トン数の約3分の1を占めています。

57年度は、引き続き公共投資や住宅投資の低迷により建設・土木関連貨物の荷動きに活況がみられず、砂利・砂・石材の輸送トン数も減少したが、当該品目における営業用トラックのシェアは年々高まっており・営業用トラックだけは、逆に砂利・砂・石材の輸送トン数が増えています。

これに限らず、営業用トラック輸送の活動領域は年々幅広くなる傾向をみせており、そのサービス水準向上への努力と併せて、一連の動きが営業用トラックと自家用中古トラック輸送量の明暗に、一層拍車をかけていますといえるでしょう。

昭和57年度のトラック貨物輸送量の伸びは、トン数で対前年度比1.1%のマイナスとなりましたものの、トンキロでは同3.5%のプラスの伸びを示しています。

これを同年度の鉄道の9.4%減、内航海運の6.5%減(トンキロベース)と比べると、その健闘ぶりが明らかです。

ただし、トラック輸送量を営・自別にみると、同じトラックによる輸送でもその内容が、かなり異なっています。

57年度の営業用トラックの輸送量は17億5,830万トン、1,168億トンキロで対前年度比増減率はトン数で3.2%増、トンキロで7.9%増と堅調な伸びをみせています。

これに対して自家用トラックは34億1,333万トン、709億トンキロと、トン数で3.2%減、トンキロでも2.9%減と低迷しています。

このように、営業用トラックと自家用トラックの輸送量の動向には、はっきりとした明暗が生じていますが、堅調な推移を示しています営業用中古車トラック においても、さらに車種別にみると、50年代を通じて普通車、特種(殊)車による輸送量が堅調に伸びています反面、小型車の落ち込みがめだちます。