2011年5月アーカイブ

環境庁の付属機関の中央公害対策審議会は47年10月、さきに同審議会の自動車公害専門委員会がまとめた「米国のマスキー法なみのCO、HC、NOの規制を昭和50年、51年を目標に実施すべきだ」という中間報告を了承し、小山環境庁長官(当時)に答申した。

この結果、わが国にもマスキー法並みの厳しい規制が適用されることになった。

わが国の自動車業界は、環境庁がマスキー法並みの規制措置をとりそうな形勢を察して、この年6月、日本自動車工業会の豊田英二会長(トヨタ自動車工業社長・当時)らが大石環境庁長官(当時)に会い「現状ではマスキー法なみの規制をクリアするのは技術的に極めて難しい」として同法の国内適用を延期するよう要望していた。

それだけに環境庁がマスキー法なみの規制に踏み切ったことは、自動車業界に大きな衝撃を与えた。

この後、規制は続けられ、現在では新車でも中古車トラックでも黒煙を上げて走るなどということはなくなった。

1970年(昭和45年)12月31日に米国で70年大気汚染防止法(いわゆるマスキー法)が発効し、これによって自動車の排ガス規制は大きな転機を迎えた。

同法はメーン州選出のマスキー上院議員らが中心になって起草したため、一般にマスキー法と呼ばれている。

大気汚染防止のために厳しい規制を設けているが、とくに自動車については、「排ガス規制装置を完備して、一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)は75年(昭和50年)1月までに、また窒素化合物(NO)は76年(昭和51年)1月までに、それぞれ無規制時(71年)の排気量より90%減らす、つまり10分の1にしなければならない」と規定している。

この結果、日本の自動車メーカーは、対米輸出車については約5年間にこの厳しい排ガス規制を達成しなければならないことになった。

翌46年7月1日には日本でも環境庁が発足し、公害防止行政はいよいよ本格的になってきた。

これ以降、排ガス規制はどんどん厳しくなり、新車でもトラック中古車でも一定基準をクリアした車のみ走ることを許されている。